イベント
情文カフェ第4回:実在の耐えられない不確定さと超高速コンピューティング
2011年2月17日
情報文化学部はいわゆる理系・文系両方の教員が集まっているところですが,それはとりもなおさず多様な領域の相互作用の中で生まれる新たな発見のシーズが隠れていることを意味しています.そのようなシーズを顕在化させること,また話し手,聞き手双方がもっているセレンディピティをも顕在化させることを目指して,開いているカフェが情文カフェです.
原則として第4水曜日18時から,情報文化学部(全学教育棟北側)2階Phononで行っています.参加自由なので気楽にどうぞ.
日時:2011年2月23日(水),18時~
場所:情報文化学部(全学教育棟北側)2階Phonon
スピーカー:小澤正直教授 (自然情報学科数理情報系)
タイトル:実在の耐えられない不確定さと超高速コンピューティング
概要:
19世紀的な実在の確実性に対する確信はラプラスの悪魔を生み出したが,20世紀初頭に現れた量子力学は不確定性原理が実在を支配していることを明らかにした.
あらゆる物質がこのような実在観を受け入れざるを得ないとすれば,情報文化学部の究極的な課題である「情報とは何か」という問も不確定性原理のパラダイムから逃れることはできない.
効率的な情報処理は,心の機能というよりは計算機械の機能だからである.21世紀を迎えて,情報科学では,量子コンピュータが実現すれば,これまでの計算機より指数関数的に短いステップ数で計算が可能であり,現行の公開鍵暗号の安全性は崩壊することが知られている.
では,なぜ,実在の不確定性を利用した方が計算が超パラダイム的に速くなるのか?
今回は,「計算とは何か」から始めて,理系・文系に関係なくこのことを理解していただけるようにと考えていますが,うまくいくでしょうか.