インタビュー
全力疾走したその先に見えるもの(4)
拝啓、高校生のみなさん―情報文化学部長 川口 潤
2010年9月2日
川口 潤(かわぐち じゅん)教授
前回までの3回にわたり、
現在の研究、学部長から見た情報文化学部・学部生、
学生の頃のお話をしていただきましたが、
最終回の第4回は、
高校生のみなさんにあてたメッセージを
いただきました。
―情文を志望(しようと)している高校生に向けてメッセージをお願いします
既存の所で収まるんじゃなくて、なにか新しいことをやりたい、と思っている学生に来てもらえればいいかな。やろうと思えば出来る体制を整えて迎えるという風に思っています。受験勉強もだけど・・・、何かすごく興味のあるものがあるか、っていうのも大事かな。もちろん広い視野で物を見ないといけないし、そういう環境も整えているけれども、何か深く突っ込む力があるというのは大事だと思います。集中してやっていると、新しいことが見える時があるので。何かやっていても、途中で諦めないでそれをガーッと突き詰めてください。もちろん勉強でもいいですよ。とにかく物理にはすごい詳しい、数学なら誰にも負けない、でももちろんいいし、楽器でもスポーツとかでもいいよね。何かを中途半端で終えると、折角の時間がもったいない。寝ても覚めてもそれ、っていう体験があると表面的なことではなくて少し深いところが見えるので、そういう時間を過ごしてほしいかな。あとは何か新しい事をやって欲しいっていう気持ちがあるので、非常に深く突っ込むと同時にそれを使って何をやるか、という広い視点というのが重要かな、と思う。まあそう簡単にはできんけどなあ。(笑)
それと、一流の人を見ることが大事だと思っています。一流の人は突き抜けた先に発見があるとかそういう経験しているはずなんだよね、どんな分野でも。ただどうやって出会うかは難しいんよね。だから話を聞きに直接会いに行くとか、たまたま面白そうな講演会があるとか、そういったチャンスをうまく生かしてください。一流の人の話は基本的に分かりやすいのよ。で、その分かりやすい人の話を聞くと、もちろん知識もスッと入ってくる、ということもあるけれど、それプラス何か自分の頭がよくなったような、幻想かもしれんけど、そういう気持ちになれる。それはいい気持ちですよね。このことは学生の皆さんにとっても、我々教える側のものにとってもとても大事で、そういうのがうまい方に回っていくと、一人ぐらい「俺、頭よさそうや」と思う学生さんが出てくるんですね。最初は幻想かもしれないけれど、そのうちそれが本当になっていきます。こういう風に一歩抜け出すことをして欲しいなあ、と思います。
文理融合を目指す人に来て下さいということですが、その真意は、既存の枠組みに囚われない新しいことに挑戦したいとか興味がある学生さんに来てほしい、ということです。そういう興味を広げられるカリキュラムを用意しています。新しい発見がおもしろいと思う学生さんがたくさんいると、我々も楽しいですからね。
全4回にわたって掲載してきた川口潤学部長のインタビューは今回で以上です。
次回からは、自然情報学科長の畔上秀幸教授のインタビューを掲載していきます。
お楽しみに!