インタビュー

大学時代が最も伸びる(2)
—自然情報学科長 畔上 秀幸

2011年3月11日

畔上 秀幸(あぜがみ ひでゆき)教授

自然情報学科長として,名古屋大学,

そして情報文化学部を見てこられた畔上先生.

今回は先生のお勧めする番組や,

高校生・大学生へのメッセージをお届けします.

インタビュー前半部分はこちら

—先生のお勧めを何か教えていただけますか

日曜の朝9時から放送しているNHKの「日曜美術館」が僕の愛聴番組です.プロデューサーの熱意や感性のようなものが伝わってきていつも感心させられています.

いつも「今回こそはたいしたことはないのでは?」という思いで見始めるんですけど,徐々に番組のテーマに引き込まれていって,最後には「すごい仕事をした人がいたんだなあ」と感動させられています.毎回,「自分もこういう仕事をしなければ」と自分を顧みて奮い立たせるいい機会になっています.

「日曜美術館」を見て,僕と同じような気持ちになれる人はなってください,と(笑)

僕は毎回見るたびに感動しています.

—どのような内容の番組なのですか

この前はゴッホがどのようにしてあの境地に至ったのかを推理していました.今回は有名な画家でしたけど,他にもあまり知られていないけれどすごい人がいたということを紹介する回もたくさんあります.例えば,「田中一村」は印象的でした.中央画壇の公募展で落選を重ねて挫折して,奄美大島に渡ってそこでひっそりと暮らしながら深遠な作品を残していたんです.毎回作者や作品にまつわるテーマを厳選しながら,コメンテーターも適切な人を呼んできて,よく作り込んでいるなぁと感心させられています.

もともと僕が絵描きになりたかったということで,毎週その番組を見るたびにそのような感動がやってくるのかも知れないですけれどもね.

—情報文化学部を目指して頑張っている高校生にメッセージをお願いします

今の世の中,新しい考え方やツール,仕組みなどがどんどん出てきます.情報文化学部は,新しいものや新しい組み合わせに対して積極的にアプローチしながら,本質にせまるようなものを作り上げていくチャレンジ精神を身につけることができる学部だと思います.ぜひ私たちのところにきて,たくさんのことを学んでほしい.新しい時代をつくる気持ちで勉強してほしいと思います.

—大学院への進学を迷っている学生,また考えていない学生に対して,大学院への進学を後押しするようなメッセージをお願いします

僕はいつも進学ガイダンスのときに言っているのですが,名古屋大学の強みは研究です.名古屋大学は研究重点大学を謳っています.もちろん卒業研究で研究を体験することはできるのですが,学会で発表できるくらいの本格的な研究となると大学院に入ってからでないと難しいと思います.本格的な研究を経験して修了となったときに,名古屋大学の本当の実力を感じてもらえるんじゃないかと思います.

この前も,僕の研究室で卒業研究をやって2年前に卒業したOBがやって来て近況を話してくれました.そのなかに,やっぱり大学院に行った方が良かったと後悔している,という感想がありました.

彼は,会社で周りの人を見ていて,大学院を出た人たちの方が仕事をする能力や素質が高いように見えると言っていました.

ただ,彼にその人たちとの年齢差が2歳あるので,学部卒で2年間勤めた人たちと修士卒を比べるべきだと言ったのですが,それでも違う,と.

卒業してから実務で学ぶこともたくさんあると思いますが,大学院に進学して,一つのことを深く考えて自分なりに整理してまとめ上げるという体験は,実社会に出てからでは容易ではないと思うんです.大学院はそれを思う存分できる貴重な場だと思います.ぜひ体験してほしいと思います.

情報文化学部の場合は,情報科学研究科あるいは環境学研究科の修士課程に進学すれば4年生から3年間,さらに博士後期課程に進学すれば6年間一つのテーマについて研究できます.大学院を修了するときには名古屋大学の本当のすごさがわかると思います.

また,最後に一言言いたいのは,みんなの年代は一年ごとにすごく成長する時です.その成長する時をぜひ充実したものにしてほしいと思います.今たくさんのことを吸収しておけば,そのときには役に立たなくても,年をとってから「そういえばあんなことを勉強したなぁ」と思い出して,思いもよらないところでいかされることがたくさんでてくるはずです.私はそうでした.今でもそうです.

みなさんには,今そのような大変な成長期にいるということを自覚して欲しいと思います.

畔上教授のインタビューは以上です.

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